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図解

レスポンスタイムの構造

画面が応えるまでの時間は、一つのかたまりではない。入力から表示までに、性質の異なるいくつかの遅延が積み重なっている。それぞれの層がどこで生じ、何によって左右されるかを分けて捉えると、どこを縮め、どこはあえて残すべきかが見えてくる。下の図は、その層を入力から知覚まで順に並べたものだ。

1 入力の検知 2 ネットワーク往復 3 サーバー処理 4 描画・レンダリング 5 知覚の遅延
入力(上)から知覚(下)へ向かって積み重なる遅延の層
1

入力の検知

物理的な入力(タップ・クリック・発話)がデバイスに認識されるまでのごく短い時間。ここが遅れると、その後どれだけ速くても「反応がない」と感じられる。

2

ネットワーク往復

端末からサーバーへ要求が届き、応答が返るまでの通信時間。距離・回線品質・混雑で変動し、設計者が完全には制御できない層。

3

サーバー処理

受け取った要求をサーバーが計算・検索・生成する時間。重い処理ほど長くなり、非同期化や事前計算で短縮を図る対象になる。

4

描画・レンダリング

返ってきたデータを画面に組み立てて表示するまでの時間。初期表示を先に出すか、完成を待つかで体感が分かれる。

5

知覚の遅延

表示された変化を人が「起きた」と認識するまでの時間。技術的な速さとは別に、人間側の知覚特性が関わる最後の層。

これらの層は独立しているわけではなく、互いに影響し合う。たとえばネットワーク往復が長い環境では、サーバー処理をいくら速くしても全体の体感は改善しにくい。逆に、初期表示を先に返す描画の工夫は、後段の遅延を覆い隠す効果を持つ。応答タイミングの設計とは、どの層に労力を割くかを見極める作業でもある。

各層をめぐる具体的な議論は、即時性遅延タイミング設計の記事で個別に扱っている。

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