画面が応えるまでの時間は、一つのかたまりではない。入力から表示までに、性質の異なるいくつかの遅延が積み重なっている。それぞれの層がどこで生じ、何によって左右されるかを分けて捉えると、どこを縮め、どこはあえて残すべきかが見えてくる。下の図は、その層を入力から知覚まで順に並べたものだ。
入力の検知
物理的な入力(タップ・クリック・発話)がデバイスに認識されるまでのごく短い時間。ここが遅れると、その後どれだけ速くても「反応がない」と感じられる。
ネットワーク往復
端末からサーバーへ要求が届き、応答が返るまでの通信時間。距離・回線品質・混雑で変動し、設計者が完全には制御できない層。
サーバー処理
受け取った要求をサーバーが計算・検索・生成する時間。重い処理ほど長くなり、非同期化や事前計算で短縮を図る対象になる。
描画・レンダリング
返ってきたデータを画面に組み立てて表示するまでの時間。初期表示を先に出すか、完成を待つかで体感が分かれる。
知覚の遅延
表示された変化を人が「起きた」と認識するまでの時間。技術的な速さとは別に、人間側の知覚特性が関わる最後の層。